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多焦点(5焦点・3焦点・2焦点)
眼内レンズ

多焦点眼内レンズを使用した白内障の手術

 現在、白内障手術で使用されている眼内レンズは単焦点眼内レンズといい、遠くなら遠くだけ、近くなら近くだけ、と1つの距離に焦点を合わせたレンズです。  白内障手術後は濁りがなくなるため、明るく、見やすくなりますが、 1つの距離にしか焦点が合わないため、手元の新聞も、遠くの看板も両方くっきり見えるようになる、という訳ではありません。
 レンズが遠く(数メートル先)に合っているのならば、手元は焦点が合わないので、近くを見るための眼鏡が必要になります。
 多焦点眼内レンズは、遠距離、中距離、近距離など複数に焦点が合うように設計されており、今までの単焦点眼内レンズに比べると、遠くにも、近くにも眼鏡なしで焦点が合いやすくなります。
 しかし、若い頃のように、見たいところに焦点を自由に合わせられるわけではないので、位置により見えにくい場合は、眼鏡が必要となることもあります。また、細かい文字を読んだり、長時間読書をする時なども、眼鏡をかけた方が楽な場合もあります。それでも、見たい所やものの位置に合わせて、いくつもの眼鏡を使ったり、頻繁にかけはずしをすることが少なくなります。
 多焦点眼内レンズでの見え方に脳が慣れるには、年齢や個人間の差はありますが、一般に数ヶ月程度かかるといわれています。また、暗い所では単焦点眼内レンズと比べ、くっきり感がやや落ちる可能性もあります。
 薄暗い場所や夜にライト等を見ると、 光の輪やまぶしさを感じることもありますので、レンズを入れた後の数ヶ月は、夜間の車の運転等には注意が必要です。

多焦点眼内レンズ挿入者の手術後視力結果

  遠方視力 近方視力
手術前 手術後 手術前 手術後
女性 72才 0.3(0.4) 0.6(1.2)   0.8
女性 72才 0.6(0.7) 0.9(1.0) 0.2(0.6) 0.6(0.8)
男性 44才
0.1(0.4) 1.2   0.6(0.8)
女性 60才 0.01(0.4) 1.5 0.1以下(0.4) 0.7(1.0)
女性 60才 0.03(0.9) 1.2 0.1以下(0.8) 0.6(1.0)
男性 83才 0.4(0.6) 1.0 0.1(0.6) 0.5(0.5)
男性 29才 0.01以下 1.5 0.1以下 0.7
男性 40才 0.3(0.4) 0.8(0.9) 0.1(0.2) 0.9(1.0)

( )は矯正視力

使用多焦点眼内レンズ
(ReZoom、Acri Lisa、TECNIS Multifocal)

3焦点眼内レンズ (AcrySofIQ PanOptix Trifocal / TORIC)

第3の焦点を再配分して焦点距離を増幅することにより全距離の視機能を最適化するように設計されたレンズです。
遠方視力を犠牲にすることなく、近方距離(40cm)〜中間距離(60cm)まで連続した範囲で快適な見え方を提供しています。60cmという距離はコンピューター作業などの様に多くの一般的活動にとってより快適な距離です。
また乱視のある方にも同様の優れた見え方を提供しています。

3焦点眼内レンズ

三焦点眼内レンズ挿入者の手術後視力結果

  遠方視力 近方視力
手術前 手術後 手術前 手術後
女性 59才 0.06(1.2) 0.9(1.2) 0.1(0.6) 0.8(0.8)
男性 70才 0.9(0.9) 0.9(0.9) 0.2(0.7) 0.8(0.8)
男性 70才 0.7(0.9) 1.2(1.2) 0.1(0.6) 0.5(0.7)
女性 39才 0.3(0.3) 1.0(1.0) 0.3(0.3) 0.6(0.8)
女性 39才 0.5(0.5) 1.0(1.2) 0.5(0.5) 0.6(0.8)
女性 61才 0.5(0.7) 1.2(1.2) 0.4(0.5) 0.6(0.8)
女性 61才 0.4(1.0) 1.2(1.2) 0.5(0.8) 0.6(0.8)
女性 61才 0.08(0.8) 1.2(1.2) 0.3(0.8) 0.7(0.8)
女性 83才 0.4(0.8) 1.2(1.2) 0.1以下(0.6) 0.6(0.7)
女性 83才 0.4(0.8) 1.2(1.2) 0.1以下(0.6) 0.5(0.8)

( )は矯正視力

オーダーメイドの多焦点眼内レンズ(Lentis)
Oculentis社(ドイツ)のレンズLentis Mplus / Lentis Mplus Toricレンズを用いた白内障手術について

Lentis Mplus

Lentis写真
 今ままでとは違う設計の屈折型多焦点眼内レンズです。遠方用と近方用の度数に分かれており、目線や顔を意識して動かさなくても自然に遠くも近くも見ることができます。令和元年8月より国内初承認の3焦点眼内レンズ(先進医療適用)を導入しました。 第3の焦点を再配分して焦点距離を増幅することにより全距離の視機能を最適化するように設計されたレンズです。  夜間の光のにじみが他のレンズよりもか
 なり抑えられており、夜間の運転が多い方にもおすすめのレンズです。


Lentis Mplus Toric(乱視入り)

 Lentis Mplusに加え、乱視を同時に矯正できるレンズです。乱視度数、乱視軸に合わせて0.01D単位のオーダーメイドで製造されるのが特徴です。またこの眼内レンズは、他の多焦点眼内レンズに比べ近くの見え方が鮮明で、グレア、ハロ、Waxy vision(視力検査での結果が良いが、何となく見えづらい症状)が少ないと言われています。

Lentis写真

 Lentis Mplus、Lentis Mplus Toric眼内レンズは、それぞれ2009年、2010年にCEマークを取得し、ヨーロッパを中心に使用されております。国内においても、2011年3月に初めて導入され、2012年7月までは36施設で合計600例以上使用されております


多焦点眼内レンズ(Mini Well READY)

球面収差を利用し近方はやや弱いものの、従来の多焦点眼内レンズに比べ、ハローやグレアも少なく、遠・中・近でスムーズな見え方が期待出来る眼内レンズです。
有水晶体眼に近い見え方で、夜間のドライバーや片眼のみに眼内レンズを挿入する方にも適応しやすい事が期待できます。

多焦点眼内レンズ写真

3焦点眼内レンズ(FINE VISION)

 遠方、近方に加えて中間距離にもピントが合う新しいタイプの多焦点眼内レンズです。若い頃と同じ様な見え方になる事は難しいですが、従来の多焦点眼内レンズに比べて、かなり改善されており眼鏡の使用頻度を減らす事が期待できます。

finvision3写真

5焦点眼内レンズ (Intensity)

これまでの2焦点や3焦点眼内レンズよりさらに進化し、遠方・遠中・中間・近中・近方の計5つの距離に焦点を合わせることができる眼内レンズです。
独自のテクノロジーを使用した光学設計で、効率よく眼内に光を取り入れることが可能となりました。また、レンズの構造上ハロー・グレアを最小限に抑える作りも特徴の1つとなっています。
従来の多焦点眼内レンズよりも全距離において視力の落ち込みがないため、日常のあらゆる活動をカバーできるようになりました。そのため、眼鏡の装用頻度を他の多焦点レンズに比べて減らすことができると期待されています。
※ハロー:光の周辺に輪がかかって見える現象
※グレア:光がぎらつき、まぶしく見える現象

5焦点眼内レンズ

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