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4・5月号(2009)
2009年の4月2日から7日の間、サンフランシスコで行われたASCRS(米国白内障屈折手術会議)に参加してまいりました。
サンフランシスコは、以前私が北大眼科医局にいる時に留学していたSmith-Kettlewell眼科研究所がある所で、1987年頃でしたので、すでに20年以上がたっております。
当時、私は子ネコを使って脳の可塑性について研究しておりましたが、
その頃同じlaboでDr.アラン・スコットが、ボツリヌス菌から抽出した毒素を初めて人間の斜視の治療薬として用い、成果をあげておりましたが、この薬は現在、全世界で売られ、眼科、神経内科では、眼瞼痙攣の治療薬として用いられており、
美容外科、消化器外科などでも治療薬として使われております。
当時、このような展開になろうとは想像だにしておりませんでした。
もう一つ、当時この研究所で産声を上げ、全世界で使われるようになった機械に多局所ERGがあり、
アミトロという神経の難病があるのですが、この病気は、全身の筋肉が麻痺し、
末期には呼吸や会話ができなくなり、眼球運動だけが残される状態となります。
視線を使ってのコミュニケーションの機械を開発中でしたが、現在は網膜局所電図を測定する機械となり世界で使われております。
その頃私はあまり気づきませんでしたが、大きな発明がなされていたんだなと20年たって感じているこの頃です。
写真は、現在もSmith-Kettlewell眼科研究所で猿に眼球運動を訓練してさせながら脳の活動を研究しているスティーブ・ハイネンという研究者と、もう一人はコンピューター関係のプログラムをしているダグ・テイラーという2名の方とジャパンタウンの中国料理屋でランチを一緒にした時のものです。当時からの友人達です。
また今年もAAOが10月にサンフランシスコで行われるので、また会う予定です。

現在注目されているのがシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(以下SHCL)です。
従来のハイドロゲル素材のソフトコンタクトレンズ(以下SCL)は、酸素透過性はレンズに含まれる水の成分の多さに依存していましたが、SHCLは酸素をよく通すシリコーンをハイドロゲルに配合することによって、従来のSCLの数倍の酸素透過性を実現しています。
これによって酸素不足に伴う感染症や炎症反応などが抑制でき、さらにレンズからの水分の蒸発が少ないため、夕方の乾燥感の軽減などが期待されています。
従来のSCLでの乾燥感や充血が気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか。

当院では診療のご予約を受付しております。
ご予約の患者さんにつきましては、その時間で優先してお呼びしております。
混雑時は、お呼びするまでに待ち時間が出ることがありますので、お急ぎの方は事前にご予約していただきますよう、お願い致します。
お電話でのご予約も(前日まで)受付しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。
※症状等により、順番が前後する場合もございますので、ご了承下さい。
糖尿病の患者数は全国で800万人以上、予備軍を含めると1800万人以上いると言われ、ガンや脳卒中、心臓病などと共に多い病気です。
糖尿病の三大合併症は、網膜症、腎症、神経症と言われています。
糖尿病性網膜症は、血管が障害されて脆くなって、眼底出血や浮腫を起こし、視力が低下したり、さらに進行すると硝子体出血や網膜剥離などを引き起こすこともあります。
発病初期には自覚症状もほとんどないので、網膜症が起こっているかどうか、またどの程度進行しているかを調べるためにも、定期的に眼科で眼底検査を受けることをおすすめします。
眼底検査は直接網膜の血管の状態を写真に撮って見ることが出来る検査です。

毎日のように、新型インフルエンザの発生状況がテレビで放送されています。
眼科では、眼の充血・めやに・瞼の腫れの症状を訴えられた方に、発熱・全身倦怠感・咽頭痛・下痢・咳・鼻汁・鼻づまり等を問診することがあります。
眼科で「はやりめ」と言われたら、ウイルス性結膜炎のことです。
これからの夏にむけてプール熱(咽頭結膜熱)等には気を付けたいものです。
外来では、アデノウイルスが原因しているかの簡易検査を行っております。
他の人への感染予防としては、あたりまえですが手を流水や石鹸でよく洗い、人混みへ出かけない、眼を拭いたものは、袋にまとめる、治るまで仕事や学校は休む等です。
本格的に日ざしが強くなってきたせいか、1階メガネコーナーにて、サングラスや色付きメガネを購入される患者さんが増えたように感じています。
度なしのでき合いサングラスなら、税込み300円からご用意していますので、気軽にサングラスのおしゃれを楽しめると思います。
時々聞かれるのが「色がついていれば紫外線は防げるんですよね?」
色はあくまでも、光による眩しさを防ぐものなので、紫外線を気にされる方はU Vカットのコーティングが付いたレンズをお勧めします。
次回メガネを新しく購入される時などに、考えてみてはいかがでしょうか?
4,200円プラスでUVカット付きレンズにできますので、1階メガネコーナーにお気軽にいらしてください。