まぶたの病気
兎眼(とがん)
何らかの原因でまぶたが完全に閉まらなくなる為、眼の表面が乾いて常に目が充血して赤くなっている状態を言います。兎眼になると眼がゴロゴロする、涙がよく出る、少しの光で眩しい等の症状が見られます。また角膜障害を起こし、ひどい場合は角膜に孔があいて失明することもあります。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
まぶたの縁や内側に、細菌が感染して起こる急性化膿性炎症です。一般では『ものもらい』と呼ばれているもので、まつげの根元にできるもの(外麦粒腫)と、まぶたの内側にできるもの(内麦粒腫)があります。まばたきすると目が痛い、まぶたが赤く腫れる、押したり触ったりするとチクチク痛い、コロコロする、しこりがある、白目が充血等の症状が見られます。
普通はほうっておいても2〜3週間で自然に治りますが症状がひどい場合は治療が必要になります。また糖尿病など他の病気が原因でものもらいを引き起こす事もあるので、再発を繰り返すような場合は眼科での診察が必要です。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
目に脂を分泌する瞼板腺が詰まり、慢性の炎症が起こる病気です。麦粒腫と混同される事もありますが医学的にはまったく別の病気です。まぶたの中に半球状のしこりができ、徐々に大きくなりますが痛みはありません。時々細菌に感染してまぶたが赤く腫れて、痛みを伴う場合もあります。
程度が酷い場合には5分程度の手術が行われます。
睫毛内反(逆さまつげ)・眼瞼内反・睫毛乱生(しょうもうらんせい)
睫毛内反(逆さまつげ)はまぶたの皮膚が余っているためにまつげが眼球のほうに向いてしまう病気です。睫毛乱生は一部のまつげだけが内側つまり眼球側に向かって不規則に生えている為に角膜を刺激する病気です。いずれもまつげが眼球に当たって角膜を刺激する為、目がごろごろしたり、涙が出たり、目が充血したりします。さらに角膜が傷つくと痛みや視力障害が起こり、場合によっては細菌が感染して、角膜潰瘍を起こすこともあります。
治療は顕微鏡でみながら眼球に当たっているまつげを抜く、軽い手術を受ける等の方法が取られます。
眼瞼下垂(がんけんかすい)
上まぶたが垂れ下がって、上がらなくなる状態を「眼瞼下垂」といいます。生まれつきまぶたを上げる筋肉が弱い先天性のものと後天性のもの(加齢によって起こる「老人性」が多い)があり、先天性が約80%を占めます。日常生活に不自由な場合は手術で治すことができます。
眼瞼けいれん
自分の意思とは関係なく、両眼の周りの筋肉がけいれんする病気です。結膜炎や角膜炎などが原因で起こることもありますが、脳に異常が生じて起こるものもあります。40〜60歳代の女性に比較的多く見られます。
進行の度合いには個人差がありますが、自然に治ることはほとんどありません。症状がつらい場合は治療を受ける必要があります。
眼瞼炎(がんけんえん)
まぶたに起こる炎症のことです。細菌やウイルスに感染して起こる「感染性」のものと、薬品や化粧品などに対するかぶれやアレルギーで起こる「非感染性」のものがあります。眼瞼炎にかかるととにかくかゆくなります。またまぶたが赤くなり腫れ上がります。自然治癒する場合もありますが、ほうっておくと炎症が酷くなる場合もありますので炎症が起きたときは、眼科できちんと診てもらうことが必要です。アレルギーやかぶれが原因の場合は、まぶたをよく洗って清潔を心がけましょう。