目のさまざまな病気の症状や原因などを解説しています

糖尿病網膜症

HOME > 目の病気について > 糖尿病網膜症

糖尿病網膜症とは

 糖尿病網膜症は糖尿病が原因で網膜に張りめぐらされている毛細血管が損傷を受け、血流が悪化して起こる慢性疾患です。網膜症の発病率は糖尿病の発病後7年で約半数、20年以上では約90%と言われています。現在では日本にいる約690万人の糖尿病患者のうち約20%近くの人々が失明の危険にさらされているといわれています。

症状

 ひとことでいえば「視力低下」です。しかし初期段階では、症状がないまま進行するためほとんどの患者さんに自覚症状がありません。年齢的変化などでよく見られる飛蚊症やかすみ感が先行する場合もありますが、何も気がつかないことがほとんど。進行してきてはじめて視力低下を自覚することが多く、気づいた時にはすでに手遅れの場合もあるので注意が必要です。 

◎糖尿病網膜症には進行状況によって3つのタイプがあります。

単純型

 網膜症の初期の段階で、糖尿病になって治療をしなければ、5〜10年で発病します。毛細血管に小さなこぶができる、小さな出血斑が表れる等が主な症状ですがこの時点ではほとんど自覚症状はありません。
この時期は、3ヶ月に一回程度の眼科受診が必要です。

前増殖型

 さらに症状が進むと血液成分の性質も変化します。この為毛細血管も詰まりやすくなります。この時点ではまだ自覚症状は軽いもので、黒いものが飛んでいるような感じがしたり(飛蚊症)かすんで見えたりする程度です。
 しかし放置すると増殖網膜症に進行しやすいので注意が必要です。

増殖型

酸欠の部位に新たに出来た毛細血管(新生血管)が破れて出血を繰り返すようになると、硝子体出血や網膜剥離を引き起こし、網膜症の症状が進行します。

 網膜の神経は光を感じる神経で、痛みの感覚を自覚しません。そのためか視力が悪くなるまで眼科受診をしない傾向にあります。視力の低下を自覚するころはほとんどの場合網膜症は悪化しています。糖尿病にかかっている人は、必ず年に1回は眼科を受診する事をおすすめします。早期発見、早期治療で病気の進行をかなりの確率で食い止める事ができます。

PAGE TOP