角膜クロスリンキング
北海道で最初に角膜クロスリンキング手術を導入致しました
円錐角膜とは・・
角膜が薄くなり、中心部が円錐状に突出する病気です。遺伝によるものが多く、10代前半に発症します。アレルギーに関係してアトピー性皮膚炎を合併していることも多く、目をこする行為が円錐角膜の状態を進行させてしまう原因のひとつでもあります。
症状としては、ものが変形して見えたり、二重に見えたり、眩しく感じたり等の症状があります。進行が進むにつれて矯正も難しくなり、そのまま放置すると角膜が薄くなった部分が破れ、最悪の場合は失明に至ることもあります。
角膜クロスリンキングとは・・
ドイツのSilerらが開発した治療法で、角膜にリボフラビン(ビタミンB2)点眼液と365nm波長の紫外線照射を組み合わせて行うと角膜の強度が増し。今の角膜形状を保持して円錐角膜の進行を抑えることができます。
角膜の大部分を占めている実質コラーゲン繊維が架橋(クロスリンキング)される仕組みです。2003年に初めて施術成果の報告がされた治療法で、欧米を中心に行われました。現在は世界各国に普及しています。
メリットとデメリット
メリット
- 進行を抑制させることで、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正で十分な視力を保つことができるようになる。
- 進行を抑えるので、角膜移植を必要としない可能性が高くなる
デメリット
- 治療を受けても視力はほとんど改善しない。
- 術後、角膜に濁りが生じたり、内皮細胞に障害が出たりする可能性が稀にある。
- 10年以上の長期成績についてはまだわからない。
- 円錐角膜の進行を全ての方で完全に抑えられるわけではない。(治療しても進行する方がいる。)
適応と不適応
適応
- 現在進行している円錐角膜
- 角膜の厚さが規定以上であること
- 強度近視
- アトピー性疾患をお持ちの方
不適応
- 進行が止まっている円錐角膜
- 角膜混濁
- 角膜厚が薄い方(角膜厚400㎛未満)
- 角膜内皮細胞が少ない方(2000個/㎟未満)
- 再発性上皮障害(上皮に異常を伴うもの)
- ヘルペス性角膜炎
- 妊娠・授乳中
手術方法
- 麻酔の点眼をして消毒します。
- 角膜上皮を取り除きます。
- リボフラビン(ビタミンB2)を2分ごとに30分間点眼します。
- 角膜に10分間紫外線を照射します。
- 保護用コンタクトレンズを乗せて終了します。
術後注意事項
- 術後は数日間、洗髪や洗顔は控えてください。
- スポーツは1週間後から。
- コンタクトレンズの再開は通常は1か月後から。
- ゴミが入りやすい場所、人混みが予想される場所は控えてください。
- 全ての方が完全に進行を抑えられるわけではなく、治療しても進行することもある。
- 通常は痛みをある程度伴いますが、急な痛みや視力低下が生じた場合は担当医に連絡ください。
- 術後、上皮細胞が再生するまで一時的に視力低下が起こります。視力がある程度戻るまでに数週間要します。
合併症
- 感染症・・・上皮が修復されるまで、感染の危険があります。
- 角膜上皮下混濁・・・一時的に生じることがあります。通常は点眼薬で改善します。
- 視力低下・・・角膜の形状が変化し、視力の変動や一時的な視力低下をきたすことがあります。
- 度数の変化・・・今まで使用していた眼鏡等の度数が合わなくなる可能性があります。
- 角膜内皮細胞障害・・・稀に生じる場合があります。
手術費用
片眼: 15万3千円
両眼: 30万6千円
詳しい内容は医師までお尋ね下さい
円錐角膜についてご不明な点がありましたら
ご遠慮なくお気軽にご相談下さい。